クールだ。
 
 眼鏡外したら実は超イケメンとかだったら完璧だよね、この人。
 
「あれ、依澄のクラス二人だけ?」
「みんな部活だって」
「わぁーやる気ねぇー」
 
 そんなもんなのか。委員長の言うとおり手抜いていいのね。
 ちょっと気が楽になった。
 
「じゃあ依澄隣! 隣座りなよ!」

 たしたしと私の隣に座ってる基の逆側の机を叩く。
 横からマイナスイオン垂れ流しにするといいよ! 癒されるじゃない私が。
 
「カナくんって平良くんと友達なんだぁ?」
「うん、小学校からの幼馴染」
「じゃあ俺とトッキーと同じじゃーん、心の友じゃーん」

 ねー、と前後の席に座っている幼馴染コンビは肩を組み合ってジャレ始めた。
 前々から知ってたけど仲良すぎだろこの人達。スキンシップが無駄に激しすぎるだろ。
 
「けしからんもっとやれ」

 ん?
 
 ち、違うよ! 私言ってない!
 一瞬脳内ダダ漏れでつい口から出ちゃったかと思ったけど、私じゃないよ!
 
 声がした方を向くと、口を手で押さえている眼鏡くんがいた。
 
 ……まさか?
 
 今のって彼が言ったんだよね、多分だけど。
 え、え、眼鏡くんあれ? ちょ、どういう事!?

「えー大体揃ったかな。じゃあそろそろ始めます」

 副会長の鷲尾先輩が仕切るらしい。
 久しぶりに見る先輩は夏休みを満喫したらしく、ちょっと日焼けしてる。青春だねぇ。
 
 集会が始まってしまったから大人しくしているしかない。
 でもさっきの発言が気になって仕方ない私は、メモを書いて眼鏡くんの机にポイと投げた。
 
 どきどき。
 私の思い違いなら本気でヤバイ。変な子だと思われる。
 けど間違いじゃなければ彼なら理解できるはず。
 
 メモに気付いた彼はそれに目を通し、はっと顔を上げた。
 私と目が合う。次の瞬間
 
 ガシィ
 
 勢い良く席を立った私達は無言で握手をした。
 
 


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