「あー……、そこ座って座って」

 慌ても驚きもせず副会長様が私達を座るよう促す。
 すごいな、前にいた稔なんて目見開いて振り返ったのに。
 
 すみませんと謝りながら席に着いた。
 
「どしたん?」
「んー、仲間を見つけちゃった高揚感プライスレス」

 へぇ、と全く分かって無さそうな基を置いて、私はもう舞い上がりそうなほど機嫌が良い。
 
 予感的中!
 
 眼鏡くんに渡したメモの内容はこうだ。
 
『そこの幼馴染コンビはにっこり笑ってる黒髪の方が鬼畜攻めで、茶髪が軟派受けだよ』

 これを理解したと言う事は、彼は間違いなく腐男子!!
 最近何かと話題だけど私初めて見たよ腐男子! 
 え、そんな知られてない? おかしいなぁ、腐男子受け最近多いと思うんだけど。
 ああそうか。私の情報源が偏り過ぎてるのか。
 
 そのものズバリ、BLどんと来いな男の子の事だよ。
 
「堂島っていっつもこんな感じなのか?」
「まぁ大体は」

 聞こえてるよ、委員長に稔!
 二人して冷静ツッコミ系だから、結構心にぐさりとくる。
 
 でもそれよりも早くこれ終わんないかな。早く眼鏡くんと色々語り合いたいんですが。色々と。
 
 うずうずしていると、紙切れが飛んできて机の端に乗った。
 何だろう。
 二つ折りにされていたのを開いてみる。
 
『うちのクラスに不良×ビビリ平凡がいる』

「マジで!?」

 思わず大声を出してしまった。
 一斉にみんなの視線が私に集中する。
 
「えーと、何か質問?」
「いや……すみません。何でもないです」

 鷲尾先輩、重ね重ね申し訳ございません。
 斜め45度に体を曲げて頭を下げる。
 
 ちらっと後ろを見ると、眼鏡くんが体を震わせて笑いを必死で堪えていた。
 大ウケしてんじゃないよ! あんたのせいでしょうがぁ!
 
 稔は口パクで「ばーか」ってやってくるし。
 委員長は無言で睨んでくるし。
 基と時芽は「何やってんのさぁ」とか絡んでくるし。
 
 依澄はにこにこ。
 やはり隣に置いておいたのは正しかった。依澄だけが私の心の拠り所だよホント。
 
 


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