CHERRY*BLOSSOM 2/8


(…何がどうしてこうなったんだろう…)

僕のイメージしていた"居酒屋"とは違う雰囲気の店に連れて来られ、後から入ってきた女性陣が好きな場所に座るという段取りになっていた。

そして気付いた時には、僕の前の席に…清水春華が座っていた。

席替えもするとかで他の面子が特にそのことを気にするわけでもなく、事は段取り通り進んでいた。

盛り上がってはいるものの話に入っていくことが出来ず、ウーロン茶をちびちびと飲んでいると…不意に前方からの視線に気が付いた。

「……ねぇ…」

賑やかな店内で、その声はきっと僕にしか聞こえない程だったと思う。

「…もしかして…君も興味ない感じ…?」

何かを期待しているような瞳で見つめられて、僕の思考回路は正常に動かなかった。

そんな中でぼんやりと気になった言葉を無意識に口にした。

「……君"も"って…?」


そういえば清水さんも最初からずっと適当に相槌を打つ程度だったなと思い返した。

「…ね、抜けちゃわない?用事が出来たとか適当に理由つけてさ。私も後から行くから」

そんなやり取りがすばやく交わされ、その一瞬の間にその話に乗りたいという気持ちが生まれた。


「…ご、ごめん!急用が入っちゃったから僕帰るよ!お金は置いていくから足りなかったら明日言って!」

一息でそう言い放ち、荷物を掴んで出口まで急いだ。







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