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 アリビンゲーブ 24

身を固くして彼の言動を伺っていると、一直線にベッドへ向かっていった。

彼はそのままあまり大きくはないベッドの半分を空けて横になると、向こう側を向いて自分の右手を折りその上に頭を乗せる。
今にも寝息が聞こえてきそうだ。

えっと…
横に寝ろという事でいいんですよね?

「襲いやしねぇよ。さっさと寝ろ…」

またもや立ち尽くしていると、面倒くさそうな声が聞こえた。


了解です…。
で、では。

「お邪魔します…」

きし、と小さく軋んだベッドに腰掛け、ブーツをベッド下に並べてからブランケットの下に潜り込む。
向こうを向いている兵長に倣って自分も反対方向を向いて横になる。

背中同士を向け合った状態だ。
誰かとベッドを共にするなんて生まれて初めてだな、としみじみ思う。

手を伸ばせば触れられる距離に他人が、それも異性がいるなんて信じられない。
加えてそれがあの兵長ときた。

人生何があるか分からないものだ。

調査兵団を志した頃から恋愛や結婚というものを自然と諦めるようになった。
壁外調査で呆気ないほど失われていく命。
幸せな自分の家庭など頭の中で思い描くだけの光景に過ぎない。



  


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