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 スチータス 12

「なに?その紙…しかも、今…」

私を手に入れるって…?

「…ッ!!!」

怪我なんて一瞬忘れ、体を起こそうとして、更に大きな痛みが背中から全身を走る。

「おい!」

その様子を見て、リヴァイも紙をベッドの脇に置き手を貸してくれた。

「馬鹿、今のお前は自力では無理だ」

背中に負担がかからないように体を反転させ、上半身を起こす。
はぁ、と小さく息を吐いた後にリヴァイが口を開く。

「どっちにしろお前には後で伝えていた。
今回の事があっても無くても、お前は俺の班に異動になる。これはその正式通達だ」

私の上半身を支えながら紙を顎で指し示す。

え…、え!?
…私がリヴァイ班へ!?

「むっ無理でしょう、私には自分の班があるし…第一、リヴァイの班には、」

ペトラが。
そこまで言いかけて口をつぐんでしまう。
しまった。
言うつもりは無かったのに。

「お前の班の処置ももう決めてある。前々からエルヴィンと進めていた話だ。
俺の班には…なんだ」

顎をがっしり掴まれて目線を上げられる。
少し不機嫌な、ガラス細工の瞳に私の情けない顔が映った。

うう。
この目と向き合うと隠し事が出来ない…。
いつまでももやもやしていられない。
聞くなら今聞いてしまおう。

「…リヴァイ、には……ペトラがいるでしょう」

はっきり聞こうと思ったが、尻窄みになり、最終的には質問にもならなくなってしまった。

遠慮がちに、ただ責めるように見つめながら返事を待っていると、
眉間に思い切り皺を寄せた後、不意に彼の口元がにやりと上がった。

え?

「なんだお前。ヤキモチか?」

そう言って、今まで見せた事のない程目元を緩ませた後、ぐいっと引かれて口づけされた。

「ん!?」

驚いて目を見開くと、彼の端正な顔が間近にあった。
長いまつげも、鼻筋も…こんなにしっかり見れたのは初めてじゃないだろうか。

やっぱり、綺麗な顔。

閉じられていた目がゆっくり開き、彼の目元が驚いた私を認めてまた悪戯に緩む。

あ、こんな表情も初めて。
おもむろに口を放すと、形の良い唇が動いた。

その優雅な動きを見ていたので、
言葉が頭に入らなかった。

放心状態の私を満足そうに見て、もう一度唇を合わせてくる。

下唇を舐め、そこに小さくキスを落としてから頬、鼻、額とキスの雨を降らせてくる。

私は猫のように目を閉じて、彼を受け入れた。



耳元に口づけされて、ゆっくりと背中を支えられながらベッドに押し倒された時、ようやく先ほどの言葉が耳に届いた。






「俺は…今でも、お前だけだ」



  


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