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おまけ





【新一side】



数日前からみょうじがデートだデートだって嬉しそうに騒いでた。

俺の父さんと、だけど。

他のヤツなら気にすることなく邪魔してやんのに、父さんとみょうじの仲じゃそれも出来ない。
どんな仲かって?
めちゃくちゃ仲がいいんだよ!
(俺が入る隙がないくらいに!)

て訳で、邪魔出来ない変わりに尾行することにした。
時々デートに行ってるらしいけど、どんな風に過ごしてんのか知らねーし。


『先生、お待たせしました!』


なんて現れたみょうじは一目見ただけで分かるくらい、オシャレしてて綺麗で。
おいおい、彼氏とのデートじゃねぇんだぜ?そんな気合い入れてオシャレしてくる理由が何処にあんだよ!


「なまえ君を独り占めに出来るとは嬉しい限りだ」


あぁ、そーだろうよ。俺だって、みょうじの休日独り占めしてーよ!
なんてデレデレしてる父さんに拳を握った。

かと思ったら、父さんはみょうじを抱き締めて額にキス…って何やってんだ!あのスケベ親父!!
でもみょうじもほんのり顔を染めて満更でもなさそーだし…もしかして二人の仲ではよくあることなのかよ?
親父羨ましいな、おい!

とか父さんに嫉妬してたら、二人は腕を組んで密着して歩き出そうとしてた、って許せるか!!


「どうかしたのかい?」
『いえ…なんか視線を感じて』


危っねー
もう少しで見つかるとこだった。
ったく、みょうじも急に振り向くなよな…って、俺、二人の邪魔しようとしてたんだから、別に隠れる必要ねぇじゃねーか!
しくった…さっきので完全に出るタイミング逃しちまった。
しゃーない。こうなったら、最後までデート見届けるか。



……
………俺、心折れるかと思った。
んだよ、あの二人!
仲がいいとか言う前にマジでカップルみてぇじゃねーか!!
父さんがもう少し若いか、みょうじがもう少し年上だったら誰が見たってお似合いのカップ…いやいや、認めるな、俺。


『優作さん、ちょっと耳貸してもらえますか?』
「ん?何だい?」




って、顔近付け過ぎだろ!?
何なんだよこいつら!





「なまえ君、ケーキがついてるよ」


ってみょうじの口元を拭ってそのまま舐めた…ってバカップルかよ!?
普通自分のファンに此処までするか?
しねーよな!?
みょうじも顔真っ赤にしてるし、可愛いー…じゃなくて!!

やっとこのバカップルデートも終わんのかと、安心して息を吐き出した頃、


『もうちょっと一緒にいたいです…』


なんて服をちょっとだけ掴んで、少し寂しげな表情をしてみょうじが父さんを引き留めてた。
可愛いな、おい。
俺なら絶対傍にいてやる!
ってまさか…


「もう少しなまえ君の時間を頂けるかな?」


やっぱり!
父さんもみょうじを引き止めやがった!
しかもみょうじの頭撫でてるし!また腕組んで密着してるし!!
やっとバカップルの時間が終わったかと思ったのに!!

そろそろ我慢の限界だった俺は、父さんが家の前で


「今回のデートはここまでだからね」


とみょうじの頬にキスしたのを見て、これ以上二人の時間を作ってたまるかと飛び出した。

【そのポジションが欲しいんです】
(切実に父さんのポジションに成り代わりてぇ!!)

「新一、尾行するつもりならもっと上手くやりなさい」
「んな!?もしかして知ってたのか?!」
「初めから知っていたさ。いやー、それにしても今日は愉快だった」
「(こんにゃろー)」




end.

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