19.夏の思い出
今日は蘭たちと約束していた海へ遊びに行く日。
現地集合だったから、明日香と待ち合わせをして来たんだけど、来てみてビックリ!
園子や工藤くんの呼びかけのお陰か、軽くクラス会か?ってくらいの人数が集まっていた。
本当、よく10人超える人数集められたな。あたしには絶対無理だわ。
第一ほとんど話したことすらない子たちもいるし…これは今日一日、明日香にべったりしてるのが無難かな。
「ちょっと、なまえ!あんた何してんのよ!さっさと着替えに行くわよ!」
『ちょっ、引っ張らなくても、あたしちゃんと歩けるから!』
しみじみと周りを見渡していたら、園子はあたしが着替えるのを渋ってると勘違いしたらしい。
って、それじゃ何の為に海に来たのか分かんないからね?
んー、でも海なんて何年ブリだろ?
こりゃ、下手なこと口走らない様に気をつけなきゃだな。
「なまえちゃん、その水着可愛いね!」
『ホントに?明日香のその水着も似合ってるよ』
「あ、なまえ、今日は髪上げてるんだ?」
『そういう蘭だって今日は一つにまとめてるじゃない』
着替えた途端に騒ぎ出す周りに若いなぁーなんて思いつつ、話を合わせる。
まぁ、見知った顔ばかりだからクラスで海水浴に来てるみたいなもんだし、みんなのテンションも上がってるんだろう。
「野郎共!どうだ、女子の水着姿は!」
「ちょっと、園子ちゃん!恥ずかしいよ…」
うん。明日香の言う通りだ。
あんた酔っ払ってんじゃないでしょうね?
とか思ってたけど、口笛吹いたり男子も結構ノってきた!
え?何!?
あたしが若いノリについていけてないだけなの?!
「みょうじ、気にすんなよ?園子もあいつらも騒ぐ理由がありゃ何でも騒ぎやがるんだから」
『あ、そうなの?』
ちょっと真面目にショックを受けてたから、工藤くんのフォローが有難かった。
でも、始めからこれって、あたし今日一日大丈夫なのか?
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