13.初めの一歩
昨日の決意も新たに、学校に着いた途端に鞄だけ置いて河野と話してるみょうじの元へと向かった。
「はよ」
『おはよう、工藤くん』
よし、とりあえず避けられなかったからこのまま話出来るな。
「昨日は楽しめたか?」
『うん。でも、ごめんね?工藤くんは楽しくなかったんでしょ?』
「へ?」
『だって工藤くん途中から全然話さなくなっちゃったし…』
「あ、いや、あれは!父さんと母さんが俺で遊ぶのにうんざりしてただけで、別にみょうじとの食事が嫌だったってわけじゃ」
「おっはよー、なまえ!あら?新一君何慌ててんの?」
「オメーには関係ねぇよ!」
しまった。
学校だと園子が邪魔してくんのか。
ってか昨日も今日も何でみんなして俺がみょうじに話しかけようとしたら邪魔してくんだよ!
『それで?園子どうしたの?』
「あっ、そうそう!昨日あんたが来なかったから分かんないとこあってさぁ。教えてくんない?」
『いいよ。昨日はあたしの都合で勉強会抜けちゃったしね』
「ありがと、なまえ!蘭もあたしの席で待ってるから早く早く!」
『ちょっと、園子!引っ張んなくても、ちゃんと行くってば!』
「ってことで河野さん、なまえちょっと借りてくわね!」
「うん。いってらっしゃーい」
唖然としてる間にみょうじは園子によって連れて行かれて、俺の横では河野がにこにこして二人に手を振っていた。
「はぁ…」
「なまえちゃん人気者だから工藤くんも大変だね」
「いや、みょうじがどうこうっつーより、俺を邪魔してくるヤツが多くて困ってんだよ」
思わずため息を吐いてげんなりと投げやりに言うと河野が応援してくれた。
「あたしで良かったら協力するから頑張って!」
「サンキュー」
俺の周りは邪魔するヤツばっかだったから、河野の発言が意外と響いた。
俺の協力者が河野か。
みょうじと仲が良い河野が協力してくれるんならなんとかなる、か?
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