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『ちょっと、園子。蘭いないじゃない』


園子の席まで連れて行かれると、待ってると言ってたはずの蘭がいなかった。


「当たり前じゃない。さっきの嘘だもん」

『はぁ?』

「なまえ連れてったら新一くんが困るかなぁと思って話中断させただけよ」

『昨日、先生と有希子さんに散々遊ばれて工藤くん疲れてるのに何してんの?』

「何してんの?ってあんただってそれに便乗してたって言ってたじゃない」

『いや、確かに便乗したけどさ…途中から工藤くん何も話さなくなっちゃうんだもん』

「んー、遊ぶなら程々にってことか」


園子が何やら考えていると蘭がこっちに向かって来た。


「あ、なまえ!ちょうど良かった!昨日勉強してて分かんないとこがあってね。教えてくれないかな?」

『…連れ出した理由は本当だったんだ?』

「そゆこと。蘭が分かんないのに、あたしに分かるわけないじゃない」


てっきり園子があたしを連れ出す為に適当に理由を作ってたんだと思ってたから、ちょっと意外。

蘭が着いたところで、英語の問題集を開いて、チャイムが鳴る直前までプチ勉強会を開催した。


「おかえり、なまえちゃん」

『ただいま』

「あのね、今日のお昼工藤くんも交えて屋上で食べない?」

『いいけど…何で?』

「ほら、さっき工藤くんの話の途中でなまえちゃん、園子ちゃんに連れて行かれちゃったでしょ?だから、お昼にゆっくり話がしたいんだって」

『そうなの?分かった』


先生が来てしまったので、話はそこで中断したけど、明日香が工藤くんに向かってVサインしてたとか、工藤くんが明日香に向かって親指立ててたとか、ボディランゲージで話してる二人には先生の話を聞いてたあたしは全然気づかなかった。


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