「新一君!こっちこっち!」
「園子?オメーこんなとこで何してんだよ?」
「差し入れよ、差し入れ。友だちがサッカー部の人に渡してくれっていうから持って来たのよ!」
「ふーん?これ渡しとけばいいのか?」
「そ!みんなで食べてってさ」
「サンキュな」
園子がなんか意味あり気に笑ってた気がすっけど、とりあえず受け取って部長に報告しに行った。
「先輩!俺のダチから差し入れらしいっす」
「なんだよ、自慢か?お前って本当に人気あるよなー」
「あ、いや、俺にじゃなくてみんなで食べてくれってサッカー部への差し入れなんスけど」
「何っ!?ちょっと貸せ。うっまそー!おい、みんな集合!!」
「何すか?」
「これ、工藤のダチからの差し入れらしい。全員分はないから俺以外は今日の試合で活躍したヤツから食べれるってことにしたから、皆頑張れよ!」
「何でテメーだけが食うの確定してんだよ!?」
「サッカー部への差し入れらしいからな。部長として食ってきちんと礼を言わないと失礼ってもんだろ?」
「こんな時だけ部長権限使うなよな!」
わいわいと騒ぎ始めた先輩たちを眺めてとりあえずアップしに外に出た。
確かにうまそうだったけど、一体誰からの差し入れだ?
園子のダチにサッカー部贔屓のヤツって誰か居たか?
あいつの惚れっぽい性格ならどの部活にも目当てのヤツが居そうだけど、あいつはあんなに上手く手作りとか出来そうにねぇしなぁ。
あ!菓子で思い出した!
父さんによく差し入れ持って来てるヤツ、探さなきゃいけねーんだった!
園子のダチっつってたし、クラスの誰かか?
だったらそいつ調べてみる必要ありそうだな。
よし、試合終わったら園子に聞いてみっか。
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