「なまえー!ただいま!」
『おかえり。ちゃんと渡せた?』
「もちろんよ!ってあんたよくこんないい席取れたわね」
『ん?空き席探してうろうろしてたんだけど、親切な人が声かけてくれてね。友だちと二人で来てるんだけど、初めてきたからどういう席座ったらいいか分からないって言ったらこの席譲ってくれたの。一番眺めがいいから試合がよく見れるよって』
「へぇー。良かったわね、そんな親切な人がいて」
(こいつ黙ってても男落とせるのか!)
サッカーの試合が始まるまで、園子と話してたら下から視線を感じて、ふとそちらを見ると工藤新一がこっちを見てた!
『園子、工藤くんこっち見てるんだけど』
「あやつ、さすがに気付いたのかしら?」
『え?だってまだ食べてないんじゃないの?』
「だろうけど、たぶん誰が作ったのか探ってんのよ!」
『試合前にそんな余裕で大丈夫なの?サッカーって1点が試合を左右するスポーツなんでしょ?』
「…あんたの中でのサッカーの認識度ってどんだけ低いのよ」
『だって、あたし全くの初心者だもの。試合見るとかだってホントに初めてだし』
「へぇー」
『それより園子のお気に入りの人ってどの人?』
「あの人よ、ほら今ストレッチしてるあの人!」
指で示された先を見れば、確かにスポーツ少年って感じのイケメンがいた。
でも、あれなら工藤くんの方がカッコよくないか?
こっちに来る前から不思議だったんだけど、園子ってイケメン好きなのに、なんで工藤くんだけは興味の対象外なんだろ?
いや、京極さんがカッコイイのは分かるけど、工藤くんとは小学校からの付き合いでしょ?あれ?幼稚園だったかな?
やっぱり蘭がいるからかしら?
今日園子の家に行った時にでも聞いてみよっかな。
戻る