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どんだけ頭を捻ってみても、結局思い浮かんだのはもっかいちゃんと謝ってみようってことだけで。

翌日、みょうじの元に行こうとしたら蘭と話してるみょうじが口を手で覆いながら大きく欠伸をして、眠そうに目を擦っていた。

やっぱこいつ猫みてぇ。


とりあえず話しかけようとしたら、何故か蘭に連れ戻されて、蘭に八つ当たりをした。

俺と話したくもねぇってか?


気持ち良さそうに寝てるみょうじを見てると心臓がギシギシと痛み出した気がした。

昨日からどうしちまったんだよ、俺は。


みょうじが起きねぇかと授業が終わる度に近づいてみたけど、寝たフリじゃなくて規則正しい寝息にちょっと安心したりする。

昼休みになってやっと起きたみょうじはいつも通り河野とダベりながら飯食ってたけど、そしたら急にこっちを見て今度は確実に目が合った!

これがラストチャンスかもしれないと緊張しながらみょうじんとこまで行けば、当の本人は不思議そうにきょとんと可愛らしく首を傾げて、


「もう気にしてないって、あたし言わなかったっけ…?」


って、ぜってぇ言ってねーよ!
と言ってやりたかったけど、それをしたら二度と修復不可能な関係になりそうな気がして必死にその言葉を飲み込んだ。


「本当に気にしてないから」


ふんわり笑ったみょうじの笑顔が俺に向けられてるって思うだけで、胸が勝手に高鳴ってさっきまで顔が強張ってた俺も自然と表情が弛んでくのが分かった。


なんでみょうじのことになるとこんなに一喜一憂してんのかわかんねぇけど、あんな風に俺に笑ってくれんなら、あいつに振り回されんのもいいかも知れねぇとか思ってる俺はたぶんどっかが狂っちまったんだろう。


それでも、俺に向けられたあいつの笑顔が見れたことに心底安心…いや、満足してる自分がいるのは疑いようもなく確かだった。





(まだこの感情の名前を俺は知らない)



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