その後、蘭たちと別れての帰り道。
あたしは先生に電話してみた。
『あ、先生。今大丈夫ですか?』
「あぁ、ちょうど休憩しようと思ってたところなんだ。
なまえ君から電話を貰えるなんて最高の息抜きだね」
『クスクス。先生相変わらず言葉がお上手ですね』
「いやいや、本当にそう思っているんだよ。それで?何か用かい?」
『いえ、ただ息子さんの様子がおかしくて』
「ほう?」
『考えこんでたと思ったらキョロキョロしたり、見てて楽しかったですよ』
「それは私も見たかったな。昨日ちょっとしたヒントをやったせいかな?」
『ついでに蘭にあたしのことを聞いてたみたいですよ?蘭と仲良くしてる害虫として』
「あいつも失礼なヤツだな」
『学校で先生から借りた本読んだりして、あたしもヒント出してるつもりなんですけど、いつ気付くと思います?』
「私としては早い方が嬉しいが…あいつのことだ。まだまだ時間がかかるだろう」
『それじゃあ夕食をお呼ばれするのはまだ当分先ですね』
「いっそのことあいつ抜きで食事に行かないかい?有希子も楽しみにしてるんだが…」
『そんな息子さんに可哀想なこと考えつかないで下さい』
「あ、そうだ。有希子が君と買い物に行きたいと話していたんだが、連絡先を妻に教えても構わないかな?」
『いいですよ。楽しみにしてますと伝えて下さい』
「伝えとくよ。有希子も喜ぶだろうしね。後、例のケーキだが、息子にも好評だったよ」
『本当ですか?それなら、今度本をお返しする時にまた何か差し入れしますね』
「それは楽しみだ」
それじゃあ、お仕事頑張って下さい、と言って電話を切った。
自分があの工藤新一を振り回していると思うと楽しくて仕方ない。
どうやらあたしは工藤家の男性陣で遊ぶのがクセになってしまったみたいだ。
さて、そろそろ工藤くんにバレた時にどうするかを考えた方がいいかな?
そんなことを考えながら、家の扉を開けた。
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