そこからは園子のノンストップ恋ばなだった。
マシンガントークってきっとこれのことを言うんだと思う。
隣のクラスの誰々がカッコイイとか何とか部の誰それが素敵だとか、ここまで恋多き乙女もきっと珍しいと思う。
あたしと蘭が紅茶を飲むヒマも与えられず、やっと一息ついたところで肩の力を抜き、紅茶を一口含む。
『で、誰が本命なのよ?』
「そんなのこれから決めるのよ!」
「あは…ははは」
さすがの蘭も言葉が出ないらしい。
まぁ、ねぇ?
蘭みたいな一途な人からしたら考えられない話だろうしね。
あたしにも分からないけど。
とか思ってたら携帯が震えた。
『あ、メールだ。ちょっとごめんね』
本当に先生はマメにメールをくれる。
あたしが寂しがり屋だってバレてんのかな?
今読んでる本の感想と、今日は友だちとカフェでお喋りしてるから喫茶店には行けない旨の文章を打って、最後にお仕事の応援をして、送信!っと。
「なまえ〜?」
『な、何よ。園子』
なんか園子の顔がにやけ過ぎてて怖いんだけど…
「今の彼氏でしょ?」
『は?ないない。だって超美人な相手いるし、その人にぞっこんだもん』
「まさか浮気!?」
『だから違うって!相思相愛の中に割って入るような真似するわけないじゃない!』
「なんだ、つまんないの」
「えー、なまえの好きな人の話聞けるかと思ったのに」
『蘭まで何言ってるのよ』
「だって、あんたあたしたちにもアドレス教えないじゃない。そんなヤツが嬉しそうにメールしてたら、そりゃ疑うってもんよ」
『は?だって聞かれなかったし。今交換する?』
「「する!!」」
なんか二人にもの凄い勢いで身を乗り出された。
携帯を取り出したら、園子に直ぐ様奪われて、勝手に登録されてる…
まぁ、いいんだけどさ。
こういう時はやっぱり若さには勝てないわーとか思うからちょっぴり切ない。
『でも勝手にばら蒔かないでね?あたしあんまり仲良くない子にケー番知られたくないし』
とか言いながら、ここでも工藤くんの為の防波堤を築く。
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