12/25 悔しかったんだ 少女のように細くて華奢で 柔らかく笑っていた君を 守るのは、主(俺)の務め(特権)だったのに 「んー・・・」 「・・・オズ?何やってるんだ?」 「・・・ホントでっかくなったよなぁ。ギルってば生意気」 「生意気って・・・10年も経てば変わるだろ、そりゃ」 そうだ、10年。10年も放っておいたら、あの小さな従者は長身の青年になった。体格はしっかりしているし、剣を持つことすらままならなかった腕は、自分を抱え上げることくらい容易くなった。 もしも、あのとき。 オズがアヴィスに堕とされていなかったら。 その腕は剣を持つこともできないままで、柔らかく笑っていたのだろうか。 華奢なまま成長して、自分より背が低かったのだろうか。 「あーあ・・・」 遠いなぁ 「オズ・・・?」 ねぇギル 「絶対抜かしてやるからね」 待ってろよ 今は背伸びでも、届かないけれど。 “背伸び” (抜かしたら、今度は俺が抱え上げてやろうかな、とか) (今度こそ俺が守ってやるからな、とか) (一方的な約束を) しりとr← ← → |