白い。

ぽっかりと、真ん丸い月が青い空に浮かんでいた。

でもそれは何処か奇妙な月。
濃淡はなく。
空に浮かぶ、否、張り付いているが相応しい。
平面的、それはそれは、不思議な月。

音の螺旋がくるりくるり取り囲む。
暖色系で寒色系で。
ふわりふわりと、手取り足取り僕を包む。

あの不思議な月は、何事もなく唯唯、空に、しがみついて。

カラカラ、ケラケラケラ、クスクスクス。
極彩色。

ぽっかりと白い穴。

夜の女王が、闇色のカーテンを空に引いてく。


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