あの娘の秘密
「そして誰もいなくなった、か……」
 うちはの集落のメインストリートに大の字で寝そべって満月を見上げる。サスケが里抜けをして、いよいよ私はこの広い集落に一人ぼっちだ。
「じゃあオレの所に来るか?」
 満月をバックに覗き込むように現れたのは『うちはマダラ』、私の師匠で忍として必要なことはこの人から教わった。
「おやおや、マダラさんじゃないですかぁー。つーか行かねぇし、いくら年上が好きでも百歳超えのおじいちゃんじゃあーねぇ……」
「それは残念だ」
「嘘こけ、そんなこと思ってないくせに」
「思ってるさ」
 近くにあぐらをかいて座ったマダラの側に、丸太を転がすようにゴロゴロ転がって移動し、腰に抱きつく。わさわさと頭を撫でられ、心地よさに目を細めてうっとりする。
「お前は猫みたいな奴だな……構って欲しい時だけすり寄ってくる」
「ふふ、そんな私が嫌いじゃないくせに」
 そう言うと呆れたようにため息をつかれてしまったが、面から覗くその目はとても優しかった。
「小悪魔め」
「だって『デビルスター』だもの」


prev / next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -