ぼっち
「カブトカブト!」
「何?」
「ちょ、何そのめんどくさそうな顔! マコト傷付く!」
「……」
「うわぁ……、苦虫を噛み潰した様な顔になった……」
「で、何? くだらなかったら筋肉切断するよ?」
「バイオレンス!! ってそうじゃなくてね、カブトの誕生日のお祝いしよう!」
「……何で?」
「えと、あの、アイデンティティの確立には自己認識が必要なのではと思いましてですね、自分のルーツを見詰めるのも良いのではないかと…………折角の誕生日を祝わないでどうするの!!」
「いや、でも別に祝われたいとか思わないし」
「お互いに孤独の身の上。丁度良く私の誕生日二十八日だし、合同で二人ぼっちバースデーしようよ!」
「マコトが騒ぎたいだけだろ? 彼に祝って貰えばいいじゃないか」
「えっ! いや、でも、それはそれで嬉し過ぎて怖いっていうか、もしそうなったらそれがベストなんだけどね……って、何言わせんの!」
「勝手に話したんだろ……(もうやだ……)」




平年に誕生日が存在しないってのもアイデンティティの欠如を助長させてるのかな?
閏日生まれの方は誕生日を基準とした行政手続に限り「みなし誕生日」を2月28日としているらしいです。


prev / next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -