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 2018/2/14 バレンタイン…幽遠寺(オリキャラ)



「ほらよ、これ」


幽遠寺から赤い小箱を渡され、なんだろうかと裏を返すとチョコレートの印字がされていた


「チョコレート、ですか?」

「ああ、今日はバレンタインデーなんだぜ」

「ばれんたいん」

「好きな人にチョコを渡す日さ」


屈託なく笑う幽遠寺に、そういえば今日は百貨店でバレンタインがどうのとラジオが言っていたのを思い出す
狐は海外のこういったイベントには疎かった
食べてくれと促されるままにリボンを解き、一粒口に含んだ
外のチョコレートを食むと中からドロリと独特の香りが広がる


「洋酒が入ってます?」

「よくわかったな、姉さん甘いのは苦手かと思ってよ」

「確かに甘いものは沢山食べられませんね」


美味しいですよと答えれば幽遠寺は子供の様に嬉しがった
その姿が余りにも眩しく、つい沢山食べすぎてしまった
気が付いた時にはもう遅かった
妙な眠気が脳髄を侵し、睡魔に誘われるままに机に水野は突っ伏した


「体に害があるもんじゃないから、許してくれよな」


そう幽遠寺の言っている声が聞こえた気がした






「これが敵に塩を送るということなんだろうなあ」


幽遠寺枡視の見下ろす先には敷蒲団の上に転がされ眠る狐が居た
手首や頭、足に数本の赤いリボンが巻かれたまま呑気に眠っている
わざわざ幽遠寺は屋敷から家まで連れてきて、手の込んだことをしていた


「まあ、アカギにはこの前の代打ちで世話んなったしよ。姉さん絶対普段こんなことしねえだろうしな…うん」


アカギの奴と末長くなあ、そういって幽遠寺は颯爽と玄関を出て行った





まさかの幽遠寺。
続きはちゃんとアカギが出ますのでもう少々お待ちください。
バレンタイン過ぎてしまうやも




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