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人並み以上の腕前ではあるが、化け物には程遠い
今の水野はそんなところだった


「麻雀、強いのですね!」


博徒が語るには賭け事が一番だと思い、負けたら自分のことを話すというルールの元、勝負をしたのだが、すっかり懐かれてしまった


「ここでどうして西切りなんです? 私の暗刻を読んでいたんですか?」


興奮した水野がぐいぐい来るのでアカギは少し戸惑っていた
アカギの思考を教えると凄い凄いと喜んだ
このくらいの年なら麻雀がわからなくとも可笑しくはないので、頭が良いのだろう


「麻雀の神様みたい」


はにかんだ顔は少女特有の愛らしさがある
年の離れた妹が出来たようだ
13の自分を拾った時、水野も似たような心境だったのだろうか

気がつくととっくに昼時を過ぎていた
朝食で冷蔵庫の中身は使い果たしてしまった


「飯、食いに行くか」

「行きます」

「しかし、その格好は目立つな…」


水野の着ている服はきらびやかで外向きでは無かった
年齢の割に大人っぽいので、背伸びをしている感が否めない


「あん中から好きなの選んで着な」


水野の鞄を指差してアカギは我物顔で言った
着物ならお端折りでなんとか丈も調節できるだろう
水野は朝顔の着物を選んだ
初々しさが柄によく似合っている


「行くか」

「ええ」


短い足でちょこちょこと水野はアカギに付いて行った






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