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「どうぞ」


アカギの家に来てしまって後悔をした
ここは悪魔の住処だった

横になったアカギはかけ布団を広げてみせている

ここでの生活はアカギが圧倒的優位であろうが、思い通りになるのはやはり癪である


もう12時は回ろうという時間だった
風呂を上がってから、だらだらと煙草を吹かしていたらこんな時間になっていた


「お邪魔します」


仕方なく、布団に潜り込む
水野は襦袢一枚に、髪を解いている格好だ
アカギと向かい合って横になると、首から腕を通される、腕枕の状態だ
そのまま抱きしめてくるので、腰に手を回して胸元に顔を埋める
女性と違って硬いが、なぜか安心する

13歳のアカギと何度か一緒に寝たことがあったが、あの時はアカギの頭が水野の肩に来るくらいの体格差だった

今はアカギの方が肩幅もあり、未熟だった体も成人のそれになっている


アカギが水野の髪に指を通すと毛先で絡まって引っ掛かった


「髪、ごわごわだな」

「石鹸で洗うとこうなります」

「今度違うのを買ってくるか」

「別に構いませんよ」


本当に傷んだ髪のままで水野は良かった
身なりは最低限で良い


アカギの好きなようにさせておいて、水野は眠ることにした
向こうも満足したのか、それ以上何をするでもなく眠りについた







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