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風呂を上がった水野は一升瓶を手に縁側へ向かった
そこでは先にアカギが腰掛けて煙草を飲んでいる
どちらからともなく縁側に集まっていた

隣へ座り、グラスに日本酒を注ぐ


「冷でいいですか」

「ああ。あんた日本酒が好きだよな」

「ええ。大体は飲めますが、一番しっくり来ますね」


透き通ったグラスを傾けると、アルコールが喉を焼いた
きりりとした飲み口と抜ける後味が酩酊を誘う


「…旨い」

「度数が高いですからあまり勢いよく煽ると酔いますよ」

「あんたの作ったつまみが食べたい」

「何がいいです?」

「ごま和えと玉子焼き」

「いいでしょ」


水野の家にはどこも縁側が備わっている
きっと縁側で飲むのが好きなのだろう
一番手軽で馴染みのある肴を選んだ
ここから台所の音が聞こえないのが惜しいと思う

何時だか、水野と飲み比べをして酔っぱらったとこがあった
水野と酒を飲むと、大体先に普段飲まないアカギが潰れてしまい、水野の乱れた姿はついぞ見たことが無かった


今日は酔わせてみようか
まだまだ酒は沢山ある


「出来ましたよ」


盆を置いて座る水野の隣でアカギの目がきらりと光った







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