1-1 病院で目を覚ますと暑苦しい顔の男二人がわっと近づいてきた仰木と安岡である「大丈夫か?」「お前、三日も眠ってたんだぞ」車で意識を失った時、死ぬと思った手を握ったり、開いたりしてみるが、正常に動いている意識もはっきりしていた窓の外は強い日差しが照っており、風に青々とした緑が揺れていた「生き長らえた…か」 そうとなればすることは一つ祝杯だのなんだのと騒ぐ二人を尻目に、アカギはいつもの大きくはないが通る声で聞いた「仰木さん、幽遠寺って派手な名前の組を知りません?」