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鷲巣との麻雀が遂に決着した


早々に卓を立ち、その場を後にする
鷲巣は勿論、自分も多くの血を抜かれ仰木や安岡に連れられてふらふらと車に乗り込んだ

鷲巣との勝負で初めて生きている実感を味わった
それは自分の心がくっきりと現れた瞬間でもあった



…5年ほど前だったろうか、自分の心持ちがわからずに離れるしか無かったある狐のことを思い出す
あのまま側にいれば確実にいつか殺していた
それほどまでに心底惚れていた
今でははっきりわかる、惚れていたのだ、あの時の自分は


あの人はまだ生きているだろうか


死んでいたら花だけでも手向けに行こう


車内で遠退いて行く意識の中で、久しぶりあの人に触れたいと思った



→夏の恋人へ続く






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