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夜、幽遠寺の車が約束通り店の前にやってきた
黒服が玄関の戸を開けて水野に声をかける
支度は出来ていた

白地に藤の柄の着物、黒い羽織りに身を包んだ水野が車内へ入ると幽遠寺が座っていた


「そいつが連れ?」

「ええ」


アカギも続いて乗り込んでくる


「只者じゃ無いって顔してるぜ」

「訳有りです」

「まさか姉さんの隠し子」

「いいえ」

「じゃ恋仲」

「違います」


水野は少し考えてから、アカギを意味有気に見つめて友人です、と言った


「…友人ね。」


アカギも水野との関係に適当な言葉を探すが、見つからなかった
少なくとも恨んじゃいない、そのくらいしかわからなかった
ただ、友人というのには何か物足りない気もした






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