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「とりあえず、こんなものでいい?」


帰宅して早々アカギが畳に向かってどさりと何かを放った
洗濯物を畳んでいた水野は視界に入ってきたそれとアカギを交互に見やる
買い物の代金は全て自分で出していたから、宿代か


「…こんなに頂けません」


前払いだと思ってさ、そういいながら取りつく島もなくアカギは二階へ上がって行ってしまう

一月と経たずにここまで稼いで来るとは
確かにこの町は他に比べて物騒で、賭場も多く立つ
雀荘だけでは飽き足らず、他にも手を出したのか。

着流しを手に降りてきたアカギはそのまま脱衣場へ向かっていった
アカギはこの前の買い物で消耗品となるくつ下やワイシャツ、スラックスなどは購入したが、
寝巻きは必要ないと行った
その癖、家にある男物の着流しを勝手に引っ張り出して着るのだ
無論大人用なので、袖や裾が余る
何やらアカギにはアカギの拘りがあるらしい

アカギが上がって来る頃に合わせて、夕食を用意してしまおう
洗濯物をさっと済ませて、予め下拵えしておいた玉ねぎを氷式冷蔵庫から取り出す
本日はハンバーグである






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