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「…流石に飲み過ぎた」


アカギの揺るぎない勝利をもって賭場は幕を閉じた
安岡と水野に支えられてアカギが宿泊用に用意されたフロアに向かう
薬は賭博の熱に消えたのか、酔っ払って前後不覚になっているだけである


「お前結局麻雀しかしてないんじゃないのか」

「そうだな」

「あーたらしい」


儲け分は賭博会場を離れる時に全て換金し、借りたドレスも返した
札束が一杯に入ったボストンバックを安岡が空いた手で持っている


「この金でまた引っ越すか、安岡さんに活動範囲割れてるし」

「おいおい」

「いいですね」


フロアの前にはサングラスの屈強な男が立っている
カードを渡し専用の機械で手続きをしてもらう
本当に宿泊をする人間しかこの先には入れない


「すまねえな、ここまでしか手伝えなくて」

「いいえ」


安岡は明日朝一番で用事が入っているので、自宅に帰ることになっていた
男からカードが返されて、 厚い硝子の扉が開く


「じゃ、安岡さん」


アカギがバックを持ち、水野が脇に手を入れて奥へ歩き出す
ゆっくりだが、しっかり歩けているので大丈夫だろう



結局あの二人のことは安岡にはよくわからなかった






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