▼ 六回目
「新生ヴァリアーリング…?」
「そっ。あとコレな」
ポイッとベルから渡されたのは変な時計。なんだこれは。安っぽいな。
「ちゃんと拭かれてる?汚そうなんだけど」
ポケットから常備している殺菌シートを取り出して時計を隈なく拭いていく。後で手袋付け替えよう。
「てんめー俺のことボロ雑巾つってんの?」
「ベルは綺麗。でもベルの前に触った輩が汚い。用はこれだけ?」
今度こそ抱かれにきたんじゃないのかと拭き終わったそれを棚に置いて彼に近づく。
「ししっヘンタイかよ。ヤる気じゃん」
「俺のこと解ったうえで逃げないんでしょ」
「んー?」
ぼすっと押し倒せば、ぽろりと彼の王冠が外れた。前髪の隙間からは俺を見ている瞳が覗く。色っぽい
「王子様もつくづく変態」
「殺す」
「喘いでからなら殺してもいいけど?」
にっこり微笑んでから、ちゅううっと唇を合わせて舌を絡ませた。熱くて気持ちがいい。くちゅ、ちゅう、くちゅり、と唾液が混ざり合う。
「ン…ふ…ッ…んん」
「ん―――、っ…最高」
「うっ、せ…――てっ!」
ビクッ、と彼の体が跳ねた。首筋に噛み付いてやったのだ。僅かに鉄の味が広がる。
「可笑しくなりそう?」
「っ―ざけんな」
「王族の血なんだろ」
首筋から耳の裏までをねっとり舐めあげて、かぷっと耳たぶを甘噛みする。
「ン……っ」
「なあ、ベルって耳より首が良かったっけ…?」
「しし、どっ、ちもよくねー…っよ…!ン…あ」
「嘘だ」
また首筋に戻って、動脈があるだろうそこをぴちゃりと舌全体で撫であげる。細い腰がビクビク震えた。
「今の跳ねかたエロい。気持ちいい?」
「ッ!……ん、は…っぁ…ナマエ…あとで、覚えてろ…!」
「じゃあ忘れさせるほかないな」
腰に響かない程度で。
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