▼ 三回目
理性、とは。
俺はその問い掛けを頭の中で繰り返し続ける。
どうしてボスの部屋は薄暗いんですか。ボスの部屋に二人きりなんてつまり誘ってるんですか。ですね?脱―…
「オイ、ドカス」
服に手をかけたと同時、自分の状況にはっとする。
俺はこの人に何をしようとしていたんだ…。なんて純粋な心は持ち合わせていない。言わずもがなエロいことだ。
「あ…俺、部屋に戻ります。これ以上は理性の問題が、」
「るせぇ」
「ちょ――…っ!!!」
ちゅう、
いいやガブリ?
とりあえず俺の理性は飛んでいった。
「ん―…っは、ボス…っ」
唇を離して、ちゅううっと今度は俺から吸い付く。それに合わせるように腰に回されていた手が後頭部に移った。
ボスも積極的に舌を絡めてくれるので深いところまで唾液が絡まる。
くしゃりとさっきはできなかったシャツを脱がしにかかった、瞬間
「う゛お゛ぉおい―!クソボ…ス」
「ッチ…―」
「っ、…は?」
バンっっ!と扉が開いて、カチッと俺の腰辺りから変な音がした。
当然キスも途切れてピリピリだったボスの雰囲気がビリビリに変わる。
「って……ロントラ?!!」
ブオオッと凄まじい炎がスクアーロ目掛けて飛んで行ったと解ったときにはそこには誰の気配もなく、遠くで色々な物が壊れる気配だけ。
そしてさっきの音の正体は俺のアニマル匣をボスが開けた音。つまり、俺のロントラは――
「ボス!アイツの服絶対汚いです!!!」
「はっ、知るか」
「う、わ!」
ドンッと跨がっていた俺は軽く弾き飛ばされてしまった。最悪だ。雰囲気もクソもない。
次会ったらロン毛殺す。
← / →