エテルニタの果て | ナノ


03:いただく


ギシリ、ベッドのスプリングが音を立てる


「ちょ、っと待っ…てくれ!」


「いーねいーね、もっと嫌がってくれてもいい」


「一回、落ちつこ、う…!その、ほ、ほら、名前…!何て言うんだ?」


「はあ?名前?どうでもいいだろ」


「いやでも、会話、しにくいだろ」


ぐぐっと俺を近づけまいと頑張る男、確かルドガーと言ったか。必死に待ったをかける姿は見ていて愉しい。しかし止めるつもりなどさらさらない。あとは寝るだけまで待ったんだ。デブ猫と遊んでまで待ったんだ。な、そろそろご褒美だろ


「ほら、どうでもいいから吸わせろ」


「俺は、よくない…!」


「あ〜もううっせえな!なまえだよなまえ!さっさと首出せよ!」


「う……」


今ので観念したのか、または言い返す術がなくなったのか、ルドガーは怖ず怖ず首が見えやすいように顔を横にした。案外素直だ。どく、どく、どく、と一定の速度で脈打つそこは俺の本能をくすぐる


「力、抜けよ、痛いの好きならいいけど」


「……っ」


「はは、イイ子」


ぴちゃ、と噛みつくそこをひと舐めして、ガブッと肌を突き破った。けれど、すぐに引き抜くことになる


「ッ────!!!」


「っ、!…ッチ、」


「ん…っ──…?」


「クソ、動くな、」


やられた。
これは予想外だ。まさか刺されたら力を入れ続けるタイプだとは。抜けなくなるところだった。


仕方なしに、ちゅうう、ぴちゅ、ちゅう、と歯型から漏れる血液をなんとか吸いだしていく。やりにくいったらありゃしねえ


「なまえ…っ、」


「ん、、なんだよ」


「それ、くすぐった…っぁ」


「……気持ちイイの間違いだろ」


力抜く練習させねえとな



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