エテルニタの果て | ナノ
18:葛藤をする
ぐったり隣で動かない彼を見て、ため息の繰り返し。
時々死んだかと焦って脈を確かめるがちゃんと動いている。流石に吸い過ぎたかもしれない。
「………」
改めて思ったことは、やっぱりクルスニクの血は美味いこと。それにこの部屋に充満する甘い匂い。近づかずにはいられない。
「……つか、なんで」
来たんだコイツ。
空腹が先立って本能のままに堪能させて貰ったが、見たところ手ぶらでデブ猫もいなければガキもいない。もうひとつ言うならどうやって俺の居場所を突き止めたのか、そしてなんのために──もしかしたら、、。
あの日に感じた感覚が、また蘇る。
「クソ………気にすることじゃないのに」
「……、っ……」
ぼーっと彼を見つめていれば、ぴくっと彼の眉が寄った。そしてゆっくりと瞼があがる。ドクドクと緊張している自分がいるのは、きっと気のせいだ。
「…なまえ、…?…──!なまえ!」
「うわっ?!」
ガバッといきなり起きあがって来たかと思えばフラッとまたベッドに沈む。馬鹿だろコイツ。なんなんだよ。
「う……」
「っ…おい、一から全部説明しろハゲ。じゃなかったら吸い殺す」
「説明…?」
「そうだ。アンタ何しに来た」
「何しにって………俺は、なまえに聞きたいことがあって、忘れ物を届けに─」
「……聞きたいこと?」
「…ああ」
今度はゆっくり起き上がって、ひとつひとつ話し始めた───
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