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「疲れた」


試合より応援の声で。
ごろんとソファーに寝転びながら目を閉じる。

あれから試合はもちろんのことこっちの勝ちで、途端に近づいてきたあおみねくんとキセリョを回避するため暢気にバスケコートに居た火神へ彼らを押し付けて帰ってきた。その数分後にテツヤも帰ってきた。


「お疲れ様です」


「ん」


「試合は、」


「勝った」


「ボクも観たかったです」


「見せるような試合じゃなかったから」


「……そうですか」


あ、俺今すぐ寝れる。

うっすら意識が夢の中へ落ちかけたとき、ぐっとお腹に寄り掛かられて流石に目を開けた。びっくりした。


「…テツヤ?」


「明日、暇ですか?」


「ああうん、午後は空いてる」


「……デートしたいです」


「………」


ぎゅっと俺の服を掴んで、駄目ですかなんて言われた。たとえこれがわざとだったとしてもいいえは言わないだろう。


「名前くん」


「いいよ。どこ行きたいの?」


「…ありがとうございます。ここ、です」


そう言ってある雑誌の頁に指を差した。それなりに利用しているショッピングセンターが特集されていた頁、彼の指先は期間限定の文字を差していて、下にはバニラがああだこうだ。


「なるほど」


「はい」



お金下ろしとこ。




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