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4−0で始まった後半戦。
もうこれ、いや…諦めないのはいい事だ。


そんなことより、


「苗字っち〜!!この調子なら勝てるッスよ!頑張ッス!」
「つーかやる気だせよー。最初のパスから何もしてねぇじゃん」



なんだあいつら。


さっきからきゃー黄瀬くーんって煩いぞ。女の子がわんさかしてる。たまに混じって聞こえてくる苗字くーんは素直に受け取っておこう。


「類は友を呼ぶ……」


そして突然前半のあれから俺のマークにつき出した奴がチラッと俺を見てキセリョを見て言った。こいつ喧嘩売ってる?売ってるね?どこにも共通点ないからな。


「あ、ロングパス」


またぽーんっと相手から飛んできた。今度は俺にマークがついてるからパス返しは無理だ。なら何人抜き出来るか試してみようかな。


「苗字っち!ボール!!ボール来た!」
「犬みてーだな黄瀬」
「なっ…犬ってなんスか犬って!」



「……うるさ」


ふー、と息を吐いてゴールまでのコースを確認する。いけそう。にしても味方は何故か綺麗に退いてくれている。まあ好都合か。


予想通りの位置に落ちたボールを取られる前に横切ってドリブルする。他の奴らもカットしに来るけれど、遅い。


「3人か」


5人ほど抜いたところで、3人が一気に迫ってきた。普通1人が来て後はパスカットとかパス待ちだろ。


「まあ今回はパスしないから戦法は間違ってないけど」


とんっと右でフェイントをかけたら見事引っ掛かってくれたのでそのまま抜いてシュートした。キーパーはキーパーでシュートとは逆方向に動いて難も無く。


8人抜きくらい?
こいつら下手すぎ。


「ナイスドリブル、ナイスシュート」


「……綺麗に退いてくれてたな」


背中を叩いてきた友達にちょっとした疑問を投げ掛ける。


「苗字が試すときはやる前に首に手ー当てるクセあるしなー。あと俺らがそのときにパスもらったら誰かのファンが怖い」


「は?何の話?」


「よっしゃ陣地戻るぞ」


呆れた視線を向けられたうえにはぐらかされてしまった。クセの話は初知りだ。



とりあえずあと1回シュートして残りは任せよう。




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