▽13日



成人の皆様うんたらかんたら。

そんな感じの式が終わったあと、それぞれ久しぶりの再会で盛り上がったり、キセリョがファンに囲まれていたり、俺の元カノだったりする子達がちらほらと……話しかけてきたりで、隣の彼からただならぬ雰囲気が漂ってきてたりもする。


振り向けない。



「テツくーん!!!」


そんなとき、ピンク色の振り袖で着飾った女の子が小走りでやってきた。なんだ?どっかで見たことあるぞ。


「桃井さん、こんにちは」


「スーツすっごく似合ってるよ!カッコイイ」


「ありがとうございます。桃井さんも、すごく似合ってますよ」


「もーテツくんったら!……って、ああ!!!」


俺も俺だったので、ここは大人しく会話を聞いていたら桃井さんとやらに指を差された。同時には?というテツヤからの視線が痛いけれど、この子は違う。


「えー……っと、久しぶり…?」


「うん!久しぶり。あの時はぶつかっちゃって、ごめんなさい…!テツくんと知り合いだったんだね!」


私、桃井さつきって言います。と成人式のせいかテンション高めに名前を教えてくれた。確かバスケの偵察がどうのと墓穴を掘っていた子だったような。


「まあ……黒子とは同じ高校だから。苗字名前。よろしく、さつきちゃん」


俺としてはさらりと簡単な挨拶を終えたつもりだった。けれど数秒ぽかんとした彼女は物凄い早さで後ろを向いて何やらジタバタし始めたのだ。


途端、横腹に激痛が走った。


「痛―…!」


「…今日の名前くん、嫌いです」


「………」




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