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先に薬局へ行き、薬を買ってからいつものスーパーへと来たのだが、スポーツドリンクと卵と野菜、みかんをカゴに入れたまでは良かった。良かったけれど、ゼリーを買ってあげようと向かった先が個人的にアウトだった。
もしかすると一般的にもアウトかもしれない。なぜなら普通は数人いるはずのコーナーに誰もいないからだ。いないと言うよりは近寄らないのほうが正しいか?

ほら、火神じゃない赤いやつ…征十郎くんとかいうやつが豆腐を睨みつけていたりする。残念なことにその横がゼリーの場所だ。もうちょっと配置考えろよ。

ちなみにゼリーを諦める選択肢はテツヤのためにも存在していない。


面倒そうだから自然にスルーされるよう取りに行きたいけれど、こういうときに限って無理だったりするのがオチだ。


まああれだけ豆腐に集中していれば行けるかもしれない


「名前、あれの二つ目を取れ」


無理だった。


「………なんで」


「…、いいから取れ」


なんの二つ目だよとちらっと彼の指差す場所を見ればそれなりに高さがある1番上の段のひとつ、人気があるのかあと残り僅かといったところ。その二つ目となると、なるほど


「届かない?」


「馬鹿にするな」


「別に馬鹿にはしてないけど?」


「早くしろ。僕が言ったことも出来ないなら次から馬鹿って呼んであげるよ」


「小学生か」


「名前」


「嫌」


「取れ」


「無理」


ではなくて、こんな遊びをする暇は今の俺にはない。よっと豆腐を取ってやってゼリーをカゴに入れた。


さて、早く帰ろう。




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