▽7日




ピピッと体温計の音が鳴る。
体に響かないようにそっと脇からそれをとって確かめれば38度7分の数字。


「……やばい」


もうすぐ…いや今日で休みは終わって明日からは講義が始まる。テツヤはわからないけれど、俺は始まる。でもテツヤも確か一緒だったような…と考えて辛そうに寝ている彼に視線を移した。


そう、テツヤが風邪を引いてしまったのだ。寝ぼけたまま彼に腕を回したとき、熱さからまさかと思えばそのまさかだった。慌てシートを取りに行ったのは記憶に新しい。


きっとバイトという慣れないことをして油断した隙に菌が入り込んだんだろう。インフルエンザではないはずだ。多分。


「…ッけほ…っん…」


「テツヤ…?起きた?」


大丈夫かと汗で少し濡れた前髪をかきあげてやる。


「っ…、名前…くん…?」


「ん、おはよう。でももうちょっと寝てろ」


「わ、かりました…」


「スーパー行ってくる。すぐ帰って来るから」


「は…―ケホッけほっ…!」


ぽんぽんと背中を叩いて布団と毛布をかけ直してやる。

とりあえず、熱さまシートはあったからもう貼ってある。
あとは薬とスポーツドリンクと、お粥の材料をさっさと買いに行って看病だ。


買い出し中に何かあったときのためにテツヤの携帯を側に置いておいたほうがいいだろう。


「じゃあ、留守番な」


もう一度頭を撫でて小声で伝えてから財布と携帯を持って部屋をでていった―――




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