▽6日




「お、いい感じ」


「ありがとうございます」


只今絶賛バイト中。時給は間を取って900円と言われた。叔母さんは用事で昼までいない。けれど今日は昼までなので用事の間だけ店を見てろということだろう。

俺は昔からちょくちょく手伝っていて基本は分かるため苦労はしない。テツヤに教えるだけだ。テツヤも覚えが早いみたいだし、だからつまり


「暇だな」


「ですね」


「新刊も追加分も補充されてるし…ちゅーでもしとく?」


「黙ってください」


バコっとさっきまでカバーの練習で使っていた本で叩かれた。それなりに痛い。


「じゃあ場所把握でもする?」


「大体は覚えたので大丈夫です」


「ああそう」


どうしよう、尚更することがない。
客もこんな朝から来ないわけで彼の好きな人間観察もできないのだ。

やっぱりちゅーかな。


「テツヤ」


「黒子です」


「ふたりきり」


「……そうですけど――!!」


「隙あり。捕まえた」


ぎゅっと後ろから自分の方へと引き寄せて、項にキスをする。


「だ、駄目です名前くん」


「それ、煽り文句?」


ちゅ、と耳や頬にもキスを落としていって、


「違…―――っん…ン、!」


口が開いた瞬間、ねっとり舌を差し込んではくちゅりと彼の舌を刺激した。それに応えるようにテツヤの体もぴくぴくと跳ねる。


「ふ、ン…!…んんッ…」


「ん、かわいい」


「は、…あ…っ名前く…だめ、です」


「ちゅーだけだって」


「誰か、来たら…」


「その時は音なるんだから大丈夫」


「でも、―っん」


ちゅうッとまた唇に吸い付いた。やわらかい


あんまりかわいい反応だと、ちゅー以上もあるかもなあ




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