▽■



「テツヤー、起きろ。飯できた」


ギシ、とベッドで寝ている彼に覆いかぶさる。ちゅ、と首筋にキスをしてやったら、少しだけくすぐったそうにしていた


「ん…名前、くん?」


「おはよう、体大丈夫か」


「………はい」


「そっか。あのさ、キセリョ来た」


「はあ?!……――っ」


凄い勢いで起き上がって、すぐにまたベッドへと沈んだ。腰に響いたんだろう


「あ、出てないよ。火神に電話したら出るなって言われたし。煩さかったからコンセント抜いてるけど、まだいるかも」


「今回ばかりは火神くんに感謝ですよ…まさか本当に来るなんて…」


「とりあえず髪の毛セットしてきたら?今日もすごい。それまで飯待ってるから」


はい、と腰を摩りながら部屋をでていったテツヤ。ほんとに大丈夫なんだろうか。ちょっとヤりすぎたかなあ…

うんうん唸りながら俺も部屋を後にした。それからリビングの扉まで行って、今までほったらかしにしていたコンセントを差し込んでみる


「………」


いた。


さすがにもう煩さくはないけれど、少し離れた廊下のところで、体育座りして待っているようだった。そんなところ汚いぞ。諦めて帰ればいいのに――それともよほど重要な用事があるのだろうか



「まだいるんですか」


「!…びっくりした」


「早く食べましょう」


「いいの…?」


画面を指さして、テツヤを見やるけれど、さもどうでもよさそうに朝食が用意されている席へと座っていた


「名前くんの作ってくれた料理が冷めてしまいます」

「……ああ、そう」



同情心が芽生えながらも、俺も席へと移動したのだった




/






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -