▽2日 ぴんぽーん 朝9時頃、呼び出し音が鼓膜を震わせた。朝食を作っていた俺は一旦中断して、リビングの扉近くについている機械に目をやる 「え……こいつって」 思わずぱちぱち瞬きを繰り返した。だって、雑誌で見たことのある男が映っていたのだ どうしよう。きっとテツヤに用があるに違いない。バスケ事情はよく知らないが、テツヤと同じ中学なのは聞いていた。だが、テツヤは昨晩俺が目茶苦茶にしてしまってまだ再起不能だ。 『くーろこっち!!いないんスかあ?昨日遊びに行くつったじゃないッスか〜!』 「…………」 そうなの?テツヤ。 ちらりとまだ眠っているだろう部屋に視線をやる。 それなら家に上げてもいいのだが、多分彼は怒るだろう。なにやら目の前に映っている男に限らず、テツヤの中学時代の友人と俺が面会することは禁じられているのだ。理由は知らない 「……そうだ」 こういうときは火神に電話しよう そしてポケットにいれてあるスマホを取り出して、彼へと繋がる画面をタッチした。それはすぐに繋がって、数コール後には彼が出てくれる 『…………なんだよ』 「テンション低いな」 『お前から連絡貰っていいことなんかねーからな』 「…あのさ、今キセリョが来てるんだよ。出た方がいいか?」 『知るか…―じゃねぇ出んな!!絶対!』 「絶対って言われると…」 『おい!!黒子に嫌われんぞ!』 「え、それは嫌だな」 『だったら出んな。ほっとけ』 「ずっと居そうでも?」 『いいからやめとけ』 「わかった、ありがとう火神」 ぴと、と通話終了ボタンを押した。テツヤが起きてくるまで無視しよう 『くーろーこーっち!』 「………煩いなあ…」 ブチ、とコンセントを抜いた ← / → |