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「火神、わかった?」


明日、イブだから、と雑誌を持って強調したうえで、負けろと訴えた。これから色々と買い出しに行きたいのだ。要はバスケなんてしてる暇などない。あおみねくんも火神と俺に勝てれば満足して帰ってくれるだろうから、なんとしてでも負けなければならない。けれど、手も出さずに負けるのとは違う。サッカーで上手くハンデをとるようにだ。そうしないと帰ってくれなさそうという個人的見解からの作戦だ。でもあおみねくんは強いだろうから、普通に戦ってくれればいいか


「うん、普通にしていいよ火神。俺何もしないから」


「どんだけ帰りたいんだよ。勝つ気で行くからな」


「なら途中で抜けるかな。言い訳はまかせる」


「なあそれ俺に面倒事――」


「あおみねくん、準備できた」


火神のことはさておき、待ちくたびれた様子の彼にもういいよの言葉を送った。


「やっとかー待ちくたびれたぜ。んだけ話し込んだってことは楽しませてくれんだな?」


「だな?」


「は…お、おうってどっちの味方だよ!」


「どっちの味方でもないってこと」


「先に5点とったほうが勝ちだ」


くるくる指先でボールを回しながらそんな提案をしてきたあおみねくん。がっつりバスケしにきたんだな。頑張れ火神と他人事のように呟いて、二人と距離をとった。あおみねくんが先攻みたいだ。


ダッ―!と凄い勢いで始まったそれ。さっそくシュートさせまいとディフェンスを頑張っている火神に、ちょっとだけ参加しようかとあおみねくんにバレない程度にパスを足にしろと合図した。足ですればいいって言ってたから、いいだろう


ボール奪えるかなあと様子を見守っていたら、急に火神が攻撃にでて、合図した通りにパスが回ってきた。なんとかゴール目掛け打ったけれど、今回はあおみねくんの反応が早かった。なんだその瞬発力


「想定内だっつーの」


「………そう」


あとは頑張れーかがみん




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