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「高尾和成でっす!」


「………知らない」


「ちょ、名前ちゃん…!俺何回自己紹介すればいい感じよ?」


「………お前が高尾和成なのは解ったけど、俺は高尾和成なんて知らない」


「もしかして真ちゃんより手強い?」


「………」


「いや〜ツンデレの扱い方は手慣れたもんだけどさ、名前ちゃんみたいなクーデレは初めてだわ!誠凛出身?」


がやがや一人で語りだした高尾和成くん。自己紹介されすぎてフルネームが頭の中で固定されてしまった。

おかしい。

こうなるはずではなかったはずだ。確か俺は‘さあ’とだけ返信しただけなのだ。なのに何故いま高尾和成くんとファミレスに居るのか。火神といた頃の俺は何処へ行ったんだろう。コーラを飲みながら数分前のことを思い返していた


「ちなみに俺は秀徳な!真ちゃんと同高!てか名前ちゃんバスケ部いた??」


「帰宅部」


「あっれ。のわりにバスケ部員の皆さんのアドレス入ってましたけど??」


「アドレスといい人の個人情報見る暇あるなら勉強したら?」


「あ、辛口タイプ?昨日もクールっちゃクールだったけど普段はそーいう感じね。名前ちゃん笑って!!」


「………帰っていい?一応俺二日酔いだから」


テンションについていけないと悟った俺はすたん、と席を立とうとした。けれど高尾和成くんが自分の水を俺の前に差し出してきて止められる


「まーもうちょっとだけいいっしょ?」


「………話題もないだろ」


「真ちゃんに名前ちゃんは黒子とデキてるぜって言っちゃおっかなー」


「なに、高尾和成くんって性格悪いの?つか、お前に名前呼ぶ権利ないから」


「まっさか!優しいって!」


「…そう」


面倒なのがまたひとり増えたなあと頭痛がした。ああもうテツヤにどう説明しようか――




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