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「黒子に一回でいいからスーツ着てほしい」


「成人式で見せます。それに数年もすれば嫌でも見れますよ」


「……現実的。就活とか聞きたくないから。袴着ないの?」


とぼとぼと色んな店を見ながら歩いていく。ついさっき通った道、ショーウィンドウにスーツが飾られていたせいで、いつのまにかそんな話になっていた


「苗字くんは着るんですか?」


「……着ない」


「そういうことです」


「なるほど」


女の子ほどではないけれど、確かにめんどくさいからスーツでいいや、だったり、そのあとの飲み会などを考えていちいち手間がかからないスーツを選ぶのは仕方ないことかもしれない



「あ、苗字くん、サッカーしてますよ」


うーんと考えていれば、袖口を引っ張られた。彼の言うとおりそこには公園で楽しそうにサッカーをしている子供達の姿。


「懐かしいな。俺も小さいときやってた」


「苗字くんはどんな子供だったんですか?」


「普通にサッカーばっかり。でもやたらと先生とかにお菓子貰ってたかも」


「………そうですか」


「妬いた?」


「違います」


「そっか。晩飯どうしたい?」


「苗字くんの料理ならなんでもいいです」


「ああそう」


ならば今からスーパーにでも行こう。広告の品とかあるといいのだけれど。どうだったろう…卵は安いだろうか、どうも思考が主婦的になってしまう。


「黒子、ゆで卵作って」


「何に使うんですか?」


「生野菜のトッピング」


「わかりました」



これで今日は一緒にキッチンに立てるな




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