▽■ 「……………」 「?……どうしたのだよ」 ぽいではない。彼そのものである。テツヤごめん、真太郎に捕まった。 「いえ………そう見られると読みにくいなって」 「!…そ、それは、悪かったのだよ。…失礼する」 「…………」 そそくさと踵を返して俺から離れていく彼。なんだ、もっと突っ掛かってくるのかと思っていたら、まともな人ではないか。ふーっと息を吐いてまた雑誌へと視線を戻した 「危なかったですね」 「わ!…テ、黒子…。買えた?」 「買えました」 そう言って綺麗にカバーされたそれを見せてくれた。テツヤ心臓に悪い 「じゃあ、行こう」 「いいんですか?雑誌」 「黒子のが大事」 「……そう、ですか」 「ほら、行こう」 雑誌を戻して、くいっと彼の腕を引いた。さて、服見に行ってお茶でもしようかな 「苗字くん…腕を」 「俺名前っていうんだけど」 「………名前くん」 「はい」 「腕を……いえ、なんでもないです」 「そう」 一本とった俺は、思わず頬を緩めた。テツヤかわいい ← / → |