▽7日



どたどたどたどた。ばん、どん、がん、夕飯を作っていた俺は、ただ事じゃない音に火を消す。聞こえるのは玄関からだ


恐る恐るそちらへと近づいて行く


『テツ!今日こそは紹介してもらうぜ…!そいつ来てんだろ』


「ちょっ…ヤです…!何勝手に…ついてきて…!」


そして玄関の扉についている覗き穴から見えた光景は、あおみねくんとやらがテツヤを扉へ押し付けているところだった。おい、俺のテツヤに何をしてくれる


思わずプチ、ときて内側から扉を蹴ったら、静かになった


「「…………」」


「うるさい、あおみねくん。テ…黒子嫌がってるぞ」


『!!お前!よお!!さっさと開けろ!寒みー!』

『青峰くん!』



テツヤを離してはくれた。くれたけれどもっと面倒なことになった。


「黒子、」


『ダメです!!絶対ダメです!』

『はあ?何言ってんだ、いーだろ別に』


がやがやと言い合いを始めた二人。ここはマンションだから、そろそろご近所さんに迷惑がかかるのではないだろうか。第一バレなければいいのだ、テツヤと恋人だということが


そう思った俺はガチャリとカギだけを開けてリビングへと戻った。もちろん玄関はすぐに開いた


「んだよ、いつの間にこんなでけーマンション借りてたんだ?お、いい匂いすんな!飯か!!」


だだだだだ、ばん、

リビングにあおみねくんが入ってきた。やっぱりでかい。


「あ!お前!!飯作ってんのか!」


「…………」


なんの躊躇もなく俺の隣まできて、手元を覗き込んだ彼。なんだか気分が悪いな


「何を…してるんですか君は!!」


でもすぐに現れたテツヤががっしりあおみねくんを掴んで、キッチンから引っ張り出してくれる。そして彼はリビングにあるソファーへは座らせずに、床に座らせていた


「いいですか、彼の料理を食べれるんですから君はここから動かないでください。食べたら帰ってください」


「お前何様だよ?帰らねーよ泊まる」


「はあ?」


すごい、テツヤが怒ってる。やばいなあちょっと。

俺は白飯を3人分よそいながら苦笑いを浮かべた。今日の夕飯はカレーだ




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