「では、始めましょう」
ゴクリ、
彼が愛用している死ぬ気丸が飲みこまれたのとほぼ同時に、青い炎が額を照らした。
「手合わせ願います」
「死ぬ気モード!!?」
「バジルもガンガン攻撃していいからな」
『そのとおり。蹴散らしてやれ』
「はい」
「なー!!死ぬ気の人相手なのー!!?ちょっ、待って!ヤバイって!殺されるって!!」
馬鹿だ。門外顧問が候補殺してどうするんだよ。仮にそんな奴がいたとしてもバジルはそんな奴の内に入りやしない。
もう一度言おう
馬鹿だ。
「心配ねーぞツナ。お前は修業の第一段階をクリアしたんだからな。きっと自分に驚くぞ」
それに続いて、バジルは体勢を整えた。
「沢田殿!行きますよ」
「タンマ!タンマ!タンマ!無理無理死んじゃうっ!!」
「え…?リボーンさん、」
「あれは日本人特有の照れ隠しだ。いけ」
「コラ!リボーン!!」
照れ隠しは流石に無理があるのではと思ったが、バジルは素直に聞き入れて、いきますよと走り出した。
もちろんその勢いからきた拳を綱吉くんがかわす呈で現状を見つめていた俺は、どすんと鳩尾にヒットした事実に言葉を失う。
それはバジルも同じだったようで、吹っ飛んだまま動かない綱吉くんに固まってしまった。
静寂が、訪れた。
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