「ツナ……!」
「沢田殿!!――煙で何も…」
「!!―誰かいるぜ、コラ!」
コロネロさんの言葉のあと、モニターに映ったのはザンザスだ。だが―
「そうあわてんな。奴の手を見ろ」
「手……?」
「!!、あれは!!」
「……凍ってる!?」
「この現象…ま…まさか、あの時と…」
と、各々が反応を見せる中、やっとモニターに映った綱吉くんも驚いているようで、自身の手の平を見つめている。
「そうか…恐らくこれが初代のあみだした零地点突破」
「え!?」
『これがですか?』
「ああ、死ぬ気の境地の逆とは死ぬ気の炎の逆の状態でもあるんだ」
「そうか!炎の逆―つまり冷気!」
「しかもただの冷気じゃない。XANXUSの炎ごと凍らすなんて…この技の在り方はまるで……」
「死ぬ気の炎を封じるためにあるような技だな」
「そんな、バカな…こんなことが!!―なぜだ!!ありえん!!おまえみてぇなカスにボンゴレの奥義など…!!」
ザンザスもまた、驚いたんだろう。今までとは雰囲気が変わって焦りが滲み出ていた。一方でそれと比例するように綱吉くんの超直感は冴えていく。
「そのキズ…お前が前にも全身に零地点突破を受けた証拠―もうおまえの拳に炎が灯されることはない…お前の負けだXANXUS」
「!…―ふふふ…何を言い出すかと思えば!ふざけやがって!!」
バギッ!!っと凍らされた両手を膝にぶつけたザンザス。しかし血が吹き出すだけで氷は溶けるそぶりを見せない。むしろ見せるわけがなかった。
「これごときで!!」
「無駄だXANXUS、これ以上やるのなら…9代目につけられたその傷ではすまないぞ」
「なに!」
「9代目!?」
『あー…?綱吉くん冴えすぎるのも困るな…9代目が、ザンザスに―ってことか?』
「だまれ!!オレは名にXの称号を二つ持つ男XANXUS!!!てめーごときに屈すると思うか!!勝つのはオレだ!!ボンゴレの10代目は!!このオレだ!!!」
奴の意地―とでもいうのだろうか。ザンザスは綱吉くんへと走り出した。言うまでもなく奴が膝を折ったが。
「―ぐっ!!」
それを見届けるように綱吉くんはザンザスの目の前へと立つ
「いくぞ――――」
「――!!」
「零地点突破―初代エディション―――!」
ビキビキ音を立てながらザンザスへ氷が纏わり付いていく。綱吉くんの表情は困惑していて、哀しいとも言える。
「ぐおぉ!!」
「………なぜだ…なんでお前は…」
「うるせぇ!!!老いぼれと同じことをほざくな!!」
「9代目と…?―――!」
そして、完璧にザンザスは凍ってしまった――
再び超モードへ戻った彼の手には、大空のリングが光っていたのだ。
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