「うぅ…ハァ、ハァ―ハァ…おの…れ…―このオレがまがいモノの零地点突破ごときに…あんなカスごときに…くそが……くそが!!――ド畜生がぁ!!!」
「!!!!!」
「許さねぇ…!」
「XA……XANXUSの顔が……」
「古傷…?」
ぶわああと物凄い早さで傷が顔や体へと広がっていく。まだ奴に何かあるらしい。
「ぶっ殺す!!!」
「なんて奴だ…ここにきて更に炎が増幅してやがる」
「奴の実力は底無しか」
「あれは怒りだぁ……」
『!…おまえ!!』
突如として会話に割って入ってきた声の主―そいつは車椅子に乗せられ、そこかしこに包帯を巻かれた銀髪の男――そう、スクアーロだった。
どうやらディーノさんが連れてきたようだ。
「雨戦の日、部下をB棟に忍びこませていたんだ…山本を救う為にな。だが水槽に落ちたのはスクアーロだった…かろうじて助け出したが瀕死の重体…なんとか腕の立つ医者とでかい設備のある病院を探して大手術だ…」
「そ…そんな事………!!それでディーノ殿は雨戦に来れずに……!!」
「こいつには何としても聞き出すべき事があるからな」
ディーノさんがそこまで述べたところで、チェルベッロ機関のひとりがこちらへとやってきた。
「あなたはスクアーロ!」
「おいねーちゃん達…今頃そいつをフィールドに入れるのは無理があるんじゃねーか?」
「わかって…、おりました………ただし全員観覧席に入ってもらいます」
そう訳のわからぬまま、スクアーロ達は俺達のいる赤外線内へ入れられた。そして意味深な発言をしたのだ。
「いいぞぉ……その怒りがお前を強くする。その怒りこそがおまえの野望を現実にする力だ。その怒りにオレは憧れついてきた」
スクアーロにつられ、皆モニターへと注目する。
「死にさらせ!!!」
ドンッと綱吉くんへと突っ込んだザンザスだったが、またもや彼に押され、ドスッ!!っと鳩尾に重い一発をくらった。しかし―
「それが…どうした!!」
「っ!!?」
「死ね!!!」
ドウッ――ザンザスから放たれた炎を改でまた吸収しようとした綱吉くん。だが、寸でのところでそれを回避する。
「よけた!?」
「あれほどの炎を受けたら吸収しきれずにツナの方がパンクしちまうからな」
「そ…そんな!!あの沢田殿の力を凌ぐなんて…!!」
「かっ消す!!!」
また向かってきたザンザスを避けずに、立ったまま奴を見つめる。
『…?―綱吉くん…?』
「何をする気だ!?」
次の瞬間――ガッ!!とザンザスと手を握りあって、押し相撲のようにお互い張り合い始めた。
「あの炎を受けてたつ気か!?」
「だがあの体勢では零地点突破すら……!」
「終わりだぁ」
そして二人の炎がぶつかり合い、ゴォオオオオ―とグランド全体が爆風で包まれたのだ―――
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