「同じリングを持つ者同士のガチンコ勝負〜〜!!?」
「ああ、あとは指示を待てと書いてある」
「指示…!?」
そのとき、
「お待たせしました。今回のリング争奪戦では我々が審判をつとめます」
タイミングを見計らったようにどこからともなく現れた謎の女二人組。仮面をつけていて顔はわからない。
怪しすぎるが、そのまま次の言葉を待った
「我々は9代目直属のチェルベッロ機関の者です。リング争奪戦において我々の決定は9代目の決定だと思ってください」
「9代目はこれがファミリー全体を納得させるためのギリギリの措置だとおっしゃっています。異存はありませんか?XANXUS様」
「………」
「ありがとうございます」
『家光さん、』
「ああ、異義ありだ。チェルベッロ機関など聞いたことがないぞ。そんな連中にジャッジをまかせられるか」
まったくもってだ。いくら9代目の死炎印があるからといって、腑に落ちない点がありすぎている。あの9代目が無名な機関を用意するだろうか…?
むしろヴァリアー側についているような態度だ。
「異義は認められません。我々は9代目に使えているのでありあなたの力の及ぶ存在ではない」
「なに…っ」
「んまあ残念ね〜」
『黙れオカマ野郎』
「あらっ!!あなたったら…ムカつく坊やね。かわいいけど」
ちゅ、と投げキッスを飛ばしてきた相手からすぐさま視線を外した。バジルからならまだしも、全身鳥肌ものだ。
しかしそんなやりとりも構わず、チェルベッロ機関とやらは説明を続けた
「本来7種類のハーフボンゴレリングはボスの持つ1組と門外顧問の持つ1組計2組存在し、跡継ぎの式典の際に9代目と門外顧問の2人が認めた7名に2組のリングを合体させた完全なるボンゴレリングの状態で継承されるものなのです」
「ですが今回は異例の事態となってしまいました。2人がふさわしいと考える7名が食い違いそれぞれが違う人物に一方だけを配ったのです」
「すなわち9代目が後継者と認めたXANXUS様率いる7名と、家光氏が後継者と認めた綱吉氏率いる7名です」
「そこで真にリングにふさわしいのはどちらなのか、命をかけて証明してもらいます。場所は深夜の並盛中学校、詳しくは追って説明いたします」
「え!?並中でやんの!!?」
「それでは明晩11時、並盛中でお待ちしています。さようなら」
「!―ちょ、まってそんなっ」
用件を伝え終えるや否や、異議や質問は受け付けないというように暗闇へと消え去った。
納得なんてするつもりはないが、こうなってしまった以上どうすることもできないのも事実。
家光さんのことだから、明日は情報収集に出向くだろう――だとしたら、俺は個人行動だ。
バジルに家の合鍵でも作ってやらねーと
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