「今日の遅刻者は、えーと、沢田綱吉、獄寺隼人、山本武…以上です」
「…………そう。」
「……?」
それだけ?と資料から恭弥さんへ視線を向ければ、ふぁあと欠伸をしていた。まさか、
「僕は少し寝るよ。咬み殺すのはそれからだ」
ああはいおやすみなさいませ。じゃねえよこら。俺動けないですよ恭弥さああん!!資料持ったままとかいう拷問はいりませんよ!!しかし時は既に遅し。すうすうと規則正しい寝息が聞こえてきた。彼は顔が整っているからぶっちゃけすごく絵になっている。なってはいるけれど、俺はもう限界だ。早い?馬鹿を言え、人間完全停止なんて無理だっつの。
そして諦めたようにかさりと資料が音を立てた。
「………名前、」
「頑張ったほうだと思います」
今日もどうせ泊まるんだろうから俺の神経のために大目に見てはくれないだろうか。家に帰っても気が抜けない俺の気持ちを察してくださいな。
「知らない。咬み殺す」
「いいいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!うわあああ草壁さあああああん」
応接室を飛び出して、きっと助けに来てくれない副委員長の名前を叫びながら校内を走り回った。この間にも、校則違反で罪が重くなっているなんて俺はまだ知らない。
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