みーどりたなーびくーなーみもーりのー、だーいなくしょうなくー
「なーみが、いい?」
はっと目を覚ませばパタパタと黄色い小鳥がぐるぐる俺の頭上を飛んでいた。なんだっけ、確か、綱吉くんがヒバードだとかなんとか。そうそう恭弥さんの─……
「げ、今何時?!」
さあっと血の気が引いて、手元にある目覚まし時計を掴もうとしたら、空振った。よく見ればここは俺の部屋じゃなくて客室だ。
「ああ、そっか…」
昨日恭弥さんが泊まりに来たんだった。あの人ちょっとの音でも起きるからうるさいって追い出されたんだっけ。勘弁してくれ…。いつまで世話になるつもりだよ。
心の中でつらつらと文句垂れるが、口が裂けても言えないのがオチである。ではなくて、早く起きなくては。
途端に自分の状況を思い出してどたどたとリビングへと走った。
「おはようございます!恭──」
「遅い」
ビュンとリビングに入るや否や、トンファーが弧を描いた。なんとか間一髪だったが、危ねえ!!後ろのほうで嫌な音が聞こえましたけれど。俺の家大丈夫かしら。
「それに、その格好…─咬み殺されたいみたいだね」
ニヤリ、微笑んだ恭弥さんがもうひとつのトンファーを手にする。確かに、ぼさぼさの頭で寝間着姿の俺は最悪だと思います。
「…許、してくれませんよね」
「あたりまえだよ」
火曜日の朝、どす、と鈍い音が鳴り響くのでした。
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